2022年シーズンからMLBでピッチコムというものが導入されましたが、そもそも何に使うものでしょうか!?また、今後日本に導入されることはあるのでしょうか!?
今回の記事では、このような疑問に答えていきます。
本記事でわかること
ピッチコムとは
ピッチコムの使い方
ピッチコムの仕組み
ピッチコム導入によるメリット・効果
ピッチコムに対する選手の評価
ピッチコムは日本(NPB)でも導入されるのか!?
今回の記事では、2022年にMLBで導入されたピッチコムについてあらゆる角度から解説していきます。
記事の本筋に入る前、私の自己紹介しておきましょう。
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それでは、記事の最後までお付き合いください。
目次
【MLBで初導入】ピッチコムとは!?
ピッチコムとは、2022年シーズンからMLBで導入されたもので、「捕手から投手にサインを伝達する際に使用する機器」 のことです。
これまで、プロ野球では身振り手振りでサインを伝えることが当たり前だったので、機器を使ってサインを送るのは少し違和感を感じる人が多い顔もしれません。
かく言う私も、違和感を感じた1人ですね。
2022年シーズンでは、ピッチコムを利用してサインを伝達するのは「捕手→投手」に限られていましたが、2023年シーズンからは「投手→捕手」にサインを伝達することも可能となりました。
ピッチコムのルール
ピッチコムのルールは、以下の通り。
送信機を3個所有可能
受信機を12個所有可能
投手と捕手に加えて最大3人までの野手が装着可能(総勢5名まで)
サインを送信できるのは1人のみ
上記2つがピッチコムのルールとなっています。
投手と捕手だけがピッチコムを利用していると思われがちですが、野手も利用することができます。
つまり、捕手から投手に伝達したサインを、守ってる野手も受け取ることが可能になるわけです。
特に、センターラインを守る野手は、他の野手と比べてもサインプレーが多くなりがちなので、レシーバー(受信機)を所持することが多くなりそうです。
また、基本的にピッチコムは捕手が送信することが多い ものの、ルール上は投手や他の野手でもサインを送信することが可能 です。
ピッチコムの誕生によって、野球の風景がガラッと変わる予感がしますね。
ピッチコムの値段
ピッチコムの値段は公には公表されておりません。
ただ、米国のサイトには以下のように記述されています。
“Signals communicated via PitchCom may only be given by the catcher in the game. Signals may not be sent from the dugout, bullpen, a different player in the field, or anywhere else,” the memo said. “Clubs are responsible for their PitchCom devices. Any club that loses a transmitter or receiver will be charged a replacement fee of $5,000 per unit.”
MLB: Teams allowed to use PitchCom to limit sign stealing | khou.com
上記を和訳すると、「紛失した場合、1台5000ドルのペナルティがある」 と書かれています。
つまり、現在のレートで74万円 するというわけです。
この額を見る限り、ピッチコムの値段は相当高いものと予想できます。
ピッチコムの仕組み
ピッチコムは、画像の通り数字のついた9つのボタンと数字のない3つのボタンで構成されています。
球種やコースは、数字のついた9つのボタンを使って、サインを送ります。
ただし、ピッチコムでサインを伝える際、サインの受け手はレシーバーと呼ばれる受信機をつけていないといけません。
つまり、イメージとしては以下のようになります。
もちろん、サインのやり取りが逆転した場合、捕手がレシーバー、投手がピッチコムを操作する側 になります。
ピッチコムの使い方
ピッチコムの使い方について、以下の動画で詳しく解説されています。
VIDEO
具体的な使い方は、以下の通り。
捕手がピッチコムで投手にサイン伝達
レシーバー(受信機)をつけた投手が、捕手からのサインを聞き取る
このような流れで、ピッチコムを使っていきます。
ピッチコム導入によるメリット・効果
結論から言うと、大きく3つあります。
具体的には、以下の通り。
サイン盗み防止
ピッチクロック対策
試合時間の短縮
それでは、上記の3つを深掘りしていきます。
サイン盗み防止
昨今のMLBでは、サイン盗みが一時期話題になりました。
サイン盗みとは、その名の通り相手チームのサインを盗むこと です。
これは、スポーツマンシップに反しており、プロ野球界ではやってはいけない行為の1つ として数えられていますが、従来のサイン交換の方法では、サインを複雑化することで防ぐしか方法がありません。
そこで登場したのが、本記事で紹介しているピッチコムです。
ピッチコムは、そもそも捕手から発せられるサインは目に見えませんし、サインのやりとりは暗号化されているため、抜き取ることはほぼ不可能 です。
ピッチコム導入によって、サイン盗みの撲滅が期待 されます。
ピッチクロック対策
2023年シーズンから、ピッチクロックが導入されることになり、より投球間隔の速度UPが求められます。
ピッチコムを導入することで、速度面で以下が期待できます。
身振り手振りでサインを伝えることがなくなる
投手がボールを受け取って、マウンドに戻る道中にサインを受け取れる
投手から捕手にサインを伝えられることが可能になったため、首を振る機会がほとんどなくなる
上記3つから、投球間隔が今までより短くなり、結果的にピッチクロック対策につながることになります。
試合時間の短縮
これは「ピッチクロック対策」にも関係している話ですが、昨今のMLBでは試合時間の短縮を目指しています。
それに伴い、ピッチクロックであったり、ワンポイント制度廃止といったルールが導入されてきたわけですが、ピッチコムも同様です。
ピッチコム本来の目的としては、サイン伝達を簡略化して、無駄な時間をなくすことを目的に導入された面が強い ので、試合時間の短縮は大いに期待されていることでしょう。
【賛成多め!?】ピッチコムに関する選手の評価
ピッチコムに対して、選手からの評価はどんな感じなのでしょうか。
以下、ピッチコムを実際に使用した選手の評価です。
マイク・ズニーノ 「試合がスピードアップするのは間違いないだろうね」
“投手王国”ブルワーズは懐疑的でも、球界全体ではおおむね好評。今季から導入のサイン伝達時計ピッチコム「利用者の声」<SLUGGER> | THE DIGEST
シェーン・マクラナハン 「ピッチングに集中するという意味でも素晴らしいツールだよ」
“投手王国”ブルワーズは懐疑的でも、球界全体ではおおむね好評。今季から導入のサイン伝達時計ピッチコム「利用者の声」<SLUGGER> | THE DIGEST
ケンドール・グレイブマン 「将来使う可能性を排除するわけじゃないけど、今は昔ながらのやり方でいい」
“投手王国”ブルワーズは懐疑的でも、球界全体ではおおむね好評。今季から導入のサイン伝達時計ピッチコム「利用者の声」<SLUGGER> | THE DIGEST
数あるうちの一部を上記に掲載しましたが、MLB全体としては好意的な感想が多め と言ういんしょうですね。
ちなみにNPB(日本プロ野球)では導入されていませんが、中日の大野雄大投手もピッチコムに対する印象を語っていました。
大野雄大 「試しはします。でもね。キャッチャーの指を見て、首を振って、うなずいて投げるのが野球って感じですよ。いろんなルールが改正されますが、いかにも野球っぽい部分ですから」
MLBでサイン用電子機器“ピッチコム”導入…中日・大野雄「捕手の指を見て、首振って、頷いて投げるのが野球」:中日スポーツ・東京中日スポーツ
「いかにも野球っぽい部分」という言葉が、すごく私自身腑に落ちましたね。
ピッチャーとキャッチャーのサインのやりとりは、野球の醍醐味 であり、「次何を投げるんだろう?」といった感じで、ファンの想像を掻き立てる間 でもあります。
こういった瞬間がなくなるのは、少しプロ野球が味気なく感じるかもしれません。
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【予想】ピッチコムは日本(NPB)でも導入されるのか!?
結論から言うと、日本(NPB)でも導入されること可能性が高い です。
日本のプロ野球の仕組みやルールは、基本的にMLBにならってできています。
そのため、新しいルールや仕組みなどがMLBに導入されると、その数年後に日本でも導入されるケースが多い です。
例えば、以下の通り。
こんな感じで、MLBの後追いで導入されるルールも多いので、仮にMLBでピッチコムが好評の場合は、数年後に導入される可能性が高いですね。
【野球革命】ピッチコムとは?使い方は?MLBに続いて日本にも導入?:まとめ
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それでは、今回の記事の重要POINTを改めてまとめていきます。
今回の記事の重要POINT
ピッチコムとは、「捕手から投手にサインを伝達する際に使用する機器」のこと
ピッチコム導入によって、試合時間の短縮やサイン盗み対策などが期待されている
ピッチコム導入について、選手から比較的好評
ピッチコムは今後日本プロ野球に導入される可能性が高い
当サイト(プロ野球観戦の巣)では、本記事のように野球用語やルールについて多数の記事を投稿しています。
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今回の記事はここまでにしたいと思います。
楽しい野球観戦ライフをお送りください。
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