ブログ総閲覧数200万超&Twitterフォロワー数4000人超の野球ブロガー。草野球歴も10年程あります。
過去に、野球において自分自身が経験したことや失敗したこと、初心者の方に知っておいてほしい情報を多くの人に伝えたく、当サイト(プロ野球観戦の巣)を立ち上げ。
当サイト(プロ野球観戦の巣)を通じて、野球の面白さや楽しさを伝えるべく、本日もブログやSNSで情報発信しています。
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この間、読売ジャイアンツの原監督が人的補償制度の廃止を訴えていたけど、実際に廃止する必要はあるのだろうか!?自分はあまりよくわかっていないから、プロ野球に詳しい方に教えて欲しいです。
今回の記事では、このような疑問に答えていきます。
結論を言うと、私は人的補償制度を廃止することには反対です。
ここで語ると少し長くなってしまうので、気になる方はこのまま本記事を読み進めていきましょう。
記事の本筋に入る前に、私のポジションを明らかにしておきます。
今回の記事では、人的補償の見直しを議論することになった理由やルール、メリット・デメリットについて解説しつつ、最後に私の考えも書いていこうと思います。
それでは最後までお付き合いください。
いきなりですが、今回の記事の核心に迫っていこうと思います。
なぜ、原監督は人的補償制度をやめようと提案したのでしょうか。
2019年11月5日に刊行された東スポではこのように書かれていました。
28人というプロテクト枠の少なさ、そして「人的補償」という“人身御供”的なネガティブイメージが、各球団の腰を重くさせてしまうことで、せっかく選手の獲得した権利が有効に生かされていない。
引用:原監督FA人的補償は敵だ!完全撤廃要求 “巨人は悪”論調「ヘドが出る」(東スポWeb) – Yahoo!ニュース(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191105-00000024-tospoweb-base)
これによると、原監督は人的補償というシステムやそれが持っているネガティブなイメージによって、FA(フリーエージェント)という選手の権利を有効活用できていないと言っています。
確かに原監督の意見はよくわかりますね。
最近では、巨人の生え抜き選手であった長野選手や内海選手が広島と西武にそれぞれ人的補償で移籍してしまったケースがあり、巨人にとって痛手となりました。
また、こう言ったリスクもあって毎年FA戦線に参戦する球団は限られているので、選手の移籍があまり活発化せず、せっかく取得した権利も無駄になっているような感じもします。
しかし、裏を返すとこれは原監督が今後のFA戦線で優位に立つための作戦かもしれません。
今回、人的補償撤廃案に賛成しているのが巨人の原監督だけではなく、ソフトバンクの三笠GMも賛成しています。
この巨人とソフトバンクに共通する点が両球団とも資金力があるという点です。
仮に今後人的補償が撤廃されて、金銭補償で行われるというということになるとこのようになります。
※上の図は、Aという球団とBという球団でFA移籍が行われたときに発生する保障を表したものです。
1枚目が従来のFA移籍。2枚目は人的補償が撤廃された後のFA移籍です。
ちなみに、なぜ金銭補償かというと金銭トレードという選手と金銭で交換が成立する移籍もあるので、代わりの案として適用される可能性が高いと考え採用しました。
最近では、FAした選手の次の移籍先の条件として、お金よりも環境や人間関係を優先するケースが増えてきてはいますが、お金は今も昔も移籍するにあたり重要な基準になると思います。
そんな中、今後人的補償が廃止され金銭補償となると資金がたくさんある球団が有利になります。
このように考えると、原監督の提案について手放しに賛同することができないと感じてしまいますね。
ここまでつらつらと人的補償について書いてきましたが、そもそも人的補償が何なのかよくわからないという方もいらっしゃるかと思います。
そこで簡単に人的補償について、さっき使った画像で解説していきたいと思います。
人的補償とは、FA移籍に伴う補償としてお金ではなく選手で補償するシステムのことを言います。
この画像で言うと、B球団からFA選手が移籍することで、B球団はA球団から人的補償選手として選手を獲得することができます。
ちなみにB球団は、A球団から人的補償選手として誰でも獲得できるわけではありません。
A球団は支配下登録選手から28人のプロテクトリストというものを作ります。
そのプロテクトリストとはB球団が指名しても獲得できない選手のリストです。
そしてA球団が作成した28人のプロテクトリストをB球団に送って、B球団が指名して人的補償が行われます。
この一連の流れが人的補償になります。
原監督が人的補償制度の廃止を提案したことで、様々なところで議論されてきましたが、人的補償制度をなくすことでどのようなメリット・デメリットが生まれるのでしょうか。
そこで、プロ野球観戦歴16年の私が人的補償をなくすメリットとデメリットを、あらゆる角度から深堀していきたいと思います。
一つはFA市場の活発化ですね。
私自身プロ野球を長いこと見てきていますが、FA選手の争奪戦に参加する球団は毎年同じように感じます。
巨人や阪神のようなブランドがある球団、楽天やソフトバンクのような資金力がある球団のように毎年同じような球団が争奪戦に参加しています。
そこで、この人的補償制度がなくなることで、FA選手を獲得した後に将来有望な選手をとられることもなくなり、球団はリスクを負うことなくFA選手の争奪戦に参加できると考えられます。
その結果、FA市場は活発化することになると思います。
その他のメリットとしては、年俸調節をしなくてもよくなり、手間が省けることですね。
FA選手には球団内の年俸でランクがつけられており、ある一定のランクになると人的補償がつくようになっています。
そしてFA移籍される球団はFA対策として人的補償を発生させるためにあえて年棒をあげるということを行います。
そこで、人的補償がなくなることでこのような流れがなくなり、球団にとって手間がなくなる点もメリットであると思います。
まとめると、人的補償制度の廃止によって生まれるメリットは以下のようになります。
それでは、次に人的補償をやめることによるデメリットについてです。
一つは、くすぶっている若手が環境を変えて活躍する機会が失われることです。
人的補償制度がきっかけで活躍した選手は意外と多くいます。
例えば、広島東洋カープの一岡竜司選手ですね。
一岡選手は元々巨人の選手で広島から大竹選手がFA移籍するということで、その補償として一岡選手が巨人から広島に移籍することになりました。
その後の活躍は非常にめざましく、セットアッパーとして広島の3連覇に大きく貢献することとなりました。
このように、人的補償制度がきっかけで活躍する選手が過去にいましたが、このようなパターンを見ることができなくなるのは、大きなデメリットであると思います。
もう一つデメリットを挙げるとするならば、お金持ち球団がより有利になることですね。
メリットのところでリスクを負うことがなくなるので、FA選手の争奪戦に参加しやすくなると解説しましたが、これには裏があります。
今まで、選手と選手同士で行われていたある種取引が、廃止されることで選手と何かとなります。
これはどういうことかというと、FA選手を獲得する球団は、リスクが今までよりもなくなるため、より派手に札束攻勢を仕掛けてくると思います。
前半部分でも言ったように、最近の選手はお金以外の部分を重視する傾向にありますが、やはり多くのお金をつめばその分いい選手を獲得することができます。
このように考えると、よりお金をたくさん持っている球団が有利になると思いませんか?
公平性を保てないという点で、これも人的補償制度の廃止による大きなデメリットであると思います。
まとめると、人的補償制度の廃止によって生まれるデメリットは、以下の通りになります。
以上の二つが、人的補償をなくすデメリットになります。
あらためて、今回の記事の要点を振り返ってみましょう。
原監督の今回の提案によって多くのメディアやマスコミ、プロ野球関係者の間で「人的補償制度」の見直しについて議論されてきましたが、本格的な動きはまだ先になりそうですね。
私個人の意見は、人的補償制度の廃止には反対で、今回の原監督の発言はどうも自分たちが有利になるように仕向ける発言にしか聞こえませんね。
しかし、日本野球界の発展のためにも、そしてお互いの球団がWin-Winの関係をつくるためにも、どんどん議論していって欲しい内容であると思います。
それでは今回の記事はここまでにしたいと思います。
楽しい野球観戦ライフをお送りください。
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