【野球用語】WHIPとは!?意味や計算方法、歴代ランキングも紹介!!

 

今回の記事では、このような疑問に答えていきます。

 

本記事でわかること

• WHIPの意味
• WHIPの由来や読み方
• WHIPの計算方法
• WHIPの目安
• WHIPの課題・弱点
• WHIPの歴代ランキング

 

近年のプロ野球では、選手の成績や傾向を数字として算出する流れが主流で、それに伴いさまざまな野球指標が登場しました。

 

その中の1つが今回紹介するWHIPという野球指標です。

 

主要なプロ野球記録ではないため、あまり聞き馴染みのない言葉かもしれません。

 

ですが、知っておくとより野球観戦の幅が広がるので、ぜひ本記事を通して、あなたに覚えていただきたいです。

 

記事の本筋に入る前に、私の自己紹介をしておきましょう。

 

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それでは、記事の最後までお付き合いください。

 

WHIPとは!?意味や読み方、計算方法などを解説!!

 

WHIPとは、投手の優秀度を測る野球指標の1つで、「1イニングにどれだけのランナーを出したのか」を表す指標になります。

 

そのため、WHIPの数字が小さければ小さいほど、より優れた投手であることを表します。

 

WHIPの由来や読み方は!?

 

WHIPは、”Walks plus Hits per Inning Pitched”の頭文字を取ったものから生まれた言葉です。

 

直訳すると、「1イニング毎に歩いた数(四球)とヒットの数」となり、先ほど書いた「1イニングにどれだけのランナーを出したのか」が読み取れるかと思います。

 

また、読み方は「ウイップ」と読みます。

 

WHIPの計算方法

 

WHIPの計算方法は、以下の通り。

 

 

先ほど、「1イニング毎に歩いた数(四球)とヒットの数」と直訳しましたが、その直訳通りの計算式ですね。

 

計算方法も簡単ですし、意味もわかりやすいので、あまり数学が得意ではない方でもわかっていただける指標かなと思います。

 

しかし、WHIPには単純で分かりやすい反面、欠陥部分もあります。

 

具体的には、長打や野手のまずい守備によるヒットも加算されるため、「WHIP=投手の実力」と判断するのはまずいです。

 

なので、あくまで投手の実力&優秀度をはかる1つの指標として見るのが良いと思います。

 

WHIPの目安

 

WHIPの目安は、以下の通り。

 

WHIP	評価
1.0	素晴らしい
1.10	非常に良い
1.25	平均以上
1.32	平均
1.40	平均以下
1.50	悪い
1.60	非常に悪い

 

上記は、WHIPにおける一般的な評価の仕方になります。

 

個人的には、大体1.2未満で各球団のエース級ピッチャー。

 

1.4を超えると、あまり良くない投手という見方をしますね。

 

これは、あくまで私自身の見方なので、参考程度に聞き流してくれると嬉しいです。

 

ちなみに、実際の例に当てはめてみると、2007年と 2011年にダルビッシュ有投手がWHIP0.8台を記録しています。

 

ちょうど全盛期の時だったと思うのですが、この記録を見ただけでも、ダルビッシュ有投手の凄さが垣間見えますね。

 

また、WHIPという指標は先発投手でも十分に指標としての働きをしてくれるのですが、どちらかといえばリリーフ投手向きの指標かなと思います。

 

リリーフの場合は、ショートイニングの投球が多く、より1人ランナーを出すことの重要性であったり、価値が増します。

 

また、ランナーを残して交代となった場合、後続の投手がランナーを返すか否かで防御率も大きく変わってきます。

 

そういうことから、WHIPはリリーフ投手の実力や優秀度を測る指標として最も適していると言えるでしょう。

 

WHIPの課題・弱点

 

WHIPには大きく3つの課題・弱点があります。

 

具体的には、以下の通り。

 

 

それでは、上記の3つを深掘りしていきます。

 

死球数が考慮されていない

 

改めて、WHIPの計算方法を見てみましょう。

 

 

よく見てほしいの部分が、分子のところ。

 

ランナーの出塁要素が与四球と被安打しかないところです。

 

つまり、与死球で出塁するケースが想定されていない点になります。

 

シーズン全体で見ると、死球数はそこまで多くないものの、評価指標に入れないのは、WHIPの欠陥部分と言わざるを得ないですね。

 

長打が考慮されていない

 

被安打には大きく4つの種類があります。

 

具体的には、以下の通り。

 

安打
二塁打
三塁打
本塁打
参考：ヒット(安打)とは!?種類や歴代ランキングも紹介!!

 

本来は各安打で重みづけをする必要があるのですが、WHIPではどの安打でも1カウントとして換算されます。

 

二塁打、三塁打、本塁打と安打に伴う進塁数が増えれば増えるほど、得点につながる可能性が高いだけに、重みづけがないのはWHIPの課題点と言えるでしょう。

 

味方の守備に左右される

 

WHIPは味方の守備力に左右されます。

 

例えば、ヒット性の打球を好捕してアウトにするケース。

 

この場合、もちろんアウトを稼いでいるので、記録はヒットにならず、WHIPを良化させることができます。

 

逆に、アウトにできなかった場合、記録はヒットになるため、WHIPの数字は悪化します。

 

つまり、味方の守備力によって結果が異なるわけです。

 

このように、味方の守備力の高さもWHIPに影響します。

 

WHIPの歴代ランキングTOP20

 

ここでは、WHIPにおける歴代ランキングを紹介していきます。

 

WHIPの歴代ランキングTOP20【NPBシーズン成績】

 

以下、NPBシーズン成績におけるWHIP歴代ランキングTOP20になります。

 

順位	WHIP	名前	チーム	年度
1	0.7193	景浦将	タイガース	1936.2
2	0.7483	村山実	大阪	1959
3	0.7489	小山正明	大阪	1956
4	0.7540	杉浦忠	南海	1959
5	0.7628	村山実	阪神	1970
6	0.7718	野口二郎	大洋	1942
7	0.7747	広瀬習一	巨人	1942
8	0.8010	野口二郎	大洋	1940
9	0.8249	金田正一	国鉄	1956
10	0.8265	林安夫	朝日	1943
11	0.8276	ダルビッシュ有	日本ハム	2011
12	0.8283	ダルビッシュ有	日本ハム	2007
13	0.8296	大崎三男	大阪	1956
14	0.8305	金田正一	国鉄	1958
15	0.8443	沢村栄治	巨人	1937.1
16	0.8456	稲尾和久	西鉄	1966
17	0.8462	野口二郎	大洋	1941
18	0.8473	村山実	阪神	1966
19	0.8490	森弘太郎	阪急	1941
20	0.8506	江川卓	巨人	1982

 

大阪タイガースに所属していた景浦さんが残した0.7193ですね。

 

また、この記録は1936年に残した記録ではありますが、いまだに破られていません。

 

最近でいうと、ダルビッシュ投手が2007年と2011年にランクインしていますが、それでも破られていないので、いかにすごいかがわかりますね。

 

WHIPの歴代ランキングTOP20【NPB通算成績】

 

以下、NPB通算成績におけるWHIP歴代ランキングTOP20になります。

 

順位	WHIP	選手名	年度
1	0.9540	村山実	1959-1972
2	0.9642	野口二郎	1939-1953
3	0.9889	稲尾和久	1956-1969
4	0.9932	杉浦忠	1958-1970
5	1.0101	藤本英雄	1942-1955
6	1.0229	土橋正幸	1955-1967
7	1.0250	江夏豊	1967-1984
8	1.0300	小山正明	1953-1973
9	1.0406	荒巻淳	1950-1962
10	1.0567	皆川睦男	1954-1971
11	1.0660	スタルヒン	1936春夏-1955
12	1.0726	金田正一	1950-1969
13	1.0761	杉下茂	1949-1961
14	1.0817	外木場義郎	1965-1979
15	1.0823	渡辺省三	1952-1965
16	1.0896	岸孝之	2007-
17	1.0973	足立光宏	1959-1980
18	1.1045	斎藤雅樹	1983-2001
19	1.1099	秋山登	1956-1967
20	1.1103	安仁屋宗八	1964-1981

 

トップはミスタータイガースと呼ばれた村山実さんの0.9540。

 

その後を、野口さんや稲尾さん、江夏さんなど錚々たる面々が名を連ねています。

 

現役では唯一、楽天の岸投手がランクインしていますね。

 

それでは、この辺りでまとめに入ります。

 

WHIPの歴代ランキングTOP10【MLBシーズン成績】

 

以下、MLBシーズン成績におけるWHIPの歴代ランキングTOP20になります。

 

順位	WHIP	名前	チーム	年度
1	0.737	ペドロ・マルティネス	ボストン・レッドソックス	2000
2	0.750	前田健太	ミネソタ・ツインズ	2020
3	0.769	ガイ・ヘッカー	プロビデンス・グレイズ	1882
4	0.780	ウォルタージョンソン	ワシントン・セネターズ	1913
5	0.795	トレバー・バウアー	シンシナティ・レッズ	2020
6	0.800	ティム・キーフ	トロイ・トロージャンズ	1880
7	0.803	ジャスティン・バーランダー	ヒューストン・アストロズ	2019
8	0.806	アディ・ジョス	クリーブランド・ナップス	1908
9	0.811	グレッグ・マダックス	アトランタ・ブレーブス	1995
10	0.820	エド・ウォルシュ	朝日	1910

 

元広島東洋カープで活躍した前田健太投手が、歴代2位にランクインしています。

 

WHIPの歴代ランキングTOP20【MLB通算成績】

 

以下、MLB通算成績におけるWHIP歴代ランキングTOP20になります。

 

順位	WHIP	名前
1	0.968	アディ・ジョス
2	1.000	エド・ウォルシュ
3	1.004	クレイトン・カーショー
4	1.043	モンテ・ウォード
5	1.054	ペドロ・マルティネス
6	1.058	クリスティ・マシューソン
7	1.061	ウォルター・ジョンソン
8	1.066	モーデカイ・ブラウン
9	1.077	マックス・シャーザー
10	1.090	ジョージ・ブラッドリー
11	1.091	トミー・ボンド
12	1.092	ベープ・アダムズ
13	1.101	ファン・マリシャル
14	1.102	ルーブ・ワッデル
15	1.1048	ラリー・コーコラン
16	1.1051	ディーコン・フィリップ
17	1.106	サンディー・コーファックス
18	1.108	エド・モリス
19	1.111	ウィル・ホワイト
20	1.113	チーフ・ベンダー

 

錚々たる面々が名前を連ねていますね。

 

日本人投手も素晴らしいだけに、ここに誰が最初に名前を連ねるのか気になるところです。

 

WHIPとは!?意味や計算方法、歴代ランキングも紹介!!：まとめ

 

それでは、今回の記事の重要POINTを改めてまとめていきます。

 

 

WHIPは、「1イニングあたりにどれだけ走者を出しているか」を表す指標で、どちらかというとリリーフ投手の優劣を測るために最適な指標です。

 

たまに、「あまり抑えている印象はないのに何故か防御率が優れている」という投手を見かけると思います。

 

また、勝ち星や防御率がほぼ同じの投手で、どっちが投手として優れているかを測りたいというときもあるかと思います。

 

上記のような時に、今回紹介したWHIPがすごく役に立ちます。

 

しかし、野球指標全てに言えることですが、指標を絶対視するのはよくないです。

 

やはり、指標ごとに弱点というものがあるので、あくまで1つの要因&根拠として捉えるくらいがいいと思います。

 

ぜひ、本記事で紹介したWHIPうまく活用して、野球観戦に役立ててみてください。

 

それでは、今回の記事はここまでにしたいと思います。

 

楽しい野球観戦ライフをお送りください。

 

セイバーメトリクスについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。