先日、日本ハムの稲葉GMが3選手に対して「ノンテンダー」として自由契約にすることを発表しました。ノンテンダーは、元々MLBにもある制度らしいのですが、簡単にいうとどんな意味なのですか!?また、戦力外通告とは何が違うのですか!?
今回の記事では、このような疑問に答えていきます。
本記事でわかること
- ノンテンダーの意味
- ノンテンダーと戦力外との違い
- ノンテンダーのメリット
- NPBにおけるノンテンダーの事例
先日、日本ハムの稲葉GMが3選手に対して、「ノンテンダー」としてリリースすることを発表しました。
具体的には、下記の通り。
日本ハムはかつても主力選手をたびたび放出してきましたが、今回のニュースもプロ野球界に衝撃を与えました。
また、「ノンテンダー」という言葉に対してあまり馴染みがないことから、戸惑った方も多いかと思います。
今回の記事では、そんなあなたに向けてノンテンダーとは何かについて解説していきます。
記事の本筋に入る前に、私の自己紹介をしておきましょう。
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それでは、記事の最後までお付き合いください。
【プロ野球】ノンテンダーとはそもそもどういう意味なのか!?
結論から言うと、来季の選手契約を通達しないことですね。
また、ノンテンダーとなった選手は自由契約という形になるため、全球団と交渉する事が可能になります。
逆に、再び元のチームと契約を交わすということもできます。
ノンテンダーは、日本語ではなく英語で、”Non-Tender”といいます。
“Tender”を日本語に訳すと、「〜を申し出る、提示する」という意味で、それに否定の”Non”が加わるため意味としては「〜を申し出ない、提示しない」になります。
MLBでは結構一般的に使われている言葉ではありますが、日本では最近になって耳にすることが多くなったため、あまり聞き馴染みのない人が多いかもです。
ノンテンダーは戦力外ではないのか!?
よく、ノンテンダーと戦力外は混同されがちですが、実際は違います。
チームから放出されるという形は同じですが、その部分以外は異なります。
戦力外の場合、それを受けた選手は基本的に引退するか、他球団に獲得してもらうかの2択になります。
しかし、ノンテンダーの場合は来季の戦力であることを認めつつ、年俸の高騰やコストカットが要因で自由契約という形を取ります。
上記の違いは、該当選手に対して戦力としてみているかみていないかの違いですね
また、ノンテンダーの場合は、いったん自由契約となりますが、再度元のチームと契約を交わすということも大いにあります。
こうして比較してみると、ノンテンダーと戦力外は別物である事がわかると思います。
ノンテンダーのメリット
ノンテンダーのメリットについて、選手の立場と球団の立場でそれぞれメリットを書いていきます。
具体的には、下記の通り。
球団にとってのメリット
- 自由契約なのでその選手と他球団との交渉が成立する可能性が高い
- 再契約となった場合も、年俸を抑えられる可能性が高い
- 若手にチャンスを与えることができる。
選手にとってのメリット
- 自由契約のため、人的補償や金銭補償が発生せず、低コスト
- FA権を行使する必要が無いため、FA権をそのまま保持出来る
選手の立場、球団の立場で見るとそれぞれメリットがあることがわかりますね。
ノンテンダーとなると、仮に再び同じチームと契約を結んだ際、大幅に年俸が下がる事はほぼ確定です。
なぜなら、コストカットを目的として自由契約にするからです。
しかし、ノンテンダーの場合は他の球団と交渉が可能になるため、もしかしたら年俸の大幅カットを防ぐ契約を勝ち取る事ができる可能性があります。
また、いろんな球団から自分の評価を聞くこともできるため、メリットは多いです。
球団の立場から見ても、主力選手が抜けることで、戦力ダウンになってしまいますが、その抜けた穴に活きのいい選手が入ればチームの活性化につながります。
また、年俸の削減もできるため、大幅なコストカットも実現できますね。
最近のニュースを見ると、何かデメリットばかりが多そうな感じはありますが、こうやってみてみると球団と選手双方にメリットがある事がわかります。
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【プロ野球】NPBにおけるノンテンダーの事例を紹介【ファンの声も】
結論から言うと、過去に4つ事例があります。
具体的には、下記の通り。
- 坪井智哉【2006年日本ハム】
- 多田野数人【2010年日本ハム】
- 村田透【2020年日本ハム】
- 西川遥輝・大田泰示・秋吉亮【2021年日本ハム】
お気づきの方もいますが、全て日本ハムです。
近年、財政的にも苦しいとされている日本ハムは主力選手の放出を過去に何度か行なっています。
その中でも、ノンテンダーに当たる事例は上記の4つです。
4つのうち、2021年のオフ以外は最終的に、日本ハムで再度契約という形に落ち着いています。
2021年のノンテンダーについては、まだ結果はわかりませんが、果たしてどのような結末を迎えるのか気になるところです。
【プロ野球】ノンテンダーに対するファンの声
上記のとおり、ファンとしては何か悪い印象を抱えている感じが拭えないですね。
また、ノンテンダーという考え方が少しずつ日本で広まり始めたことで、現行のFA制度に対して議論がされていることも多くなってきました。
現行のFA制度の仕組みについての記事
少なくとも、ファンの声を見る限り「ノンテンダー」が与える日本プロ野球界への影響は大きそうですね。
【プロ野球】ノンテンダーとは!?戦力外との違いは!?意味やメリットも解説:まとめ
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それでは、今回の記事の重要POINTを改めてまとめていきます。
今回の記事の重要POINT
- ノンテンダーとは、「来季の選手契約を通達しない」こと。
- ノンテンダーと戦力外通告は違う。
- ノンテンダーのメリットは、選手と球団双方にメリットがある。
- 日本では、過去に日本ハムのみがノンテンダーとして選手を自由契約にする事例がある。(いずれも再契約)
ノンテンダーは、チームから放出されるという過程があるため、一見戦力外通告と勘違いされがちです。
しかし、実際は違っていて、チームとしては戦力として認めてはいるものの、どうしてもコストが見合わないということで放出するというニュアンスが非常に強いです。
なので、今回発表された西川選手をはじめとしたノンテンダーFAも上記と同じような感じでしょう。
しかし、気になるのはMLBでは事前に話し合いの場を設け、両者が納得した上でノンテンダーにするという形が一般的なのですが、今回の日本ハムでは一方的な通告だったという報道もあります。
真実は闇の中の話ではありますが、この部分は非常に気になりましたね。
とにかく、本記事で伝えたかったことは、「ノンテンダー≠戦力外通告」ということ。
これを理解していただけたら嬉しいです。
それでは、今回の記事はここまでにしたいと思います。
楽しい野球観戦ライフをお送りください。
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