最近、野球記事や名鑑でWARという言葉を目にしますが、どんな意味なのかいまいちわかりません。プロ野球に詳しい方にぜひ教えてもらいたいです。
今回の記事では、このような疑問に答えていきます。
本記事でわかること
- WARの意味
- WARの読み方
- WARの計算方法
- WARの評価基準
- WARの欠陥・問題点
- WAR各種ランキング
近年のプロ野球では、選手の成績や傾向を数字として算出する流れが主流で、それに伴いさまざまな野球指標が登場しました。
その中の1つが今回紹介するWARという野球指標です。
主要なプロ野球記録ではないため、あまり聞き馴染みのない方も多いかもしれません。
しかし、知っておくとより野球観戦の幅が広がるので、ぜひ本記事を通して、あなたに覚えていただきたいです。
記事の本筋に入る前に、私の自己紹介をしておきましょう。
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それでは、記事の最後までお付き合いください。
目次
WARとは?
WARとは、野球における総合指標の1つで、「同じポジションの代替可能選手と比較して、どれだけチームの勝利数を上積みしたのか」を表す指標です。
なので、例えば「WARが+3」の選手であったとするならば、「代替可能選手が出場するより3勝分チームが多く勝てた」ということを表します。
また、ここでいう「代替可能選手」とは、対象選手の実力が平均以下であっても、容易にポジションを獲得できる選手のことを指します。
決して、他の選手の平均値ではないことに注意してください。
WARの読み方
WARは、”Wins Above Replacement”の頭文字をとったものになります。
直訳すると、「代替可能選手を超える勝利数」と訳せます。
また、読み方に関しては、「ウォー」と読みます。
WARの計算方法
WARの計算方法は、以下の通り。
そして、WARには計算補正というものがあり、各カテゴリの指標ごとに存在しています。
例えば、守備に関していうと、全ての選手を比較するために各守備位置に一定の計算補正があります。
下記が、日本のデータ会社DELTAが公表している守備位置ごとの補正値です。
守備位置 | 補正値 |
捕手 | 18.1 |
一塁手 | -14.1 |
二塁手 | 3.4 |
三塁手 | -4.8 |
遊撃手 | 10.3 |
左翼手 | -12.0 |
中継手 | 4.2 |
右翼手 | -5.0 |
指名打者 | -15.1 |
WARの計算補正
こう言った感じで、補正値を加えてWARを算出していきます。
WARの評価基準
WARは先ほども書いたように、チーム勝利数への貢献度を表したものなので、その数字が大きければ大きいほど優秀であることを表します。
逆に、マイナスになればなるほど、チームに貢献できていない選手といえます。
では、どこまで数字が大きくなれば優秀と言えるのでしょうか。
以下、WARの評価基準をまとめたものです。
WAR | 評価 |
6.0以上 | MVP級 |
4.0以上 | オールスター級 |
2.0以上 | レギュラー級 |
1.0以下 | 控え級 |
0未満 | 二軍と入れ替え要員 |
もっと細分化できるのですが、大まかに評価すると上記のような形になります。
WARを見るときは、上記を基準に評価してみるといいでしょう。
WARの欠陥・問題点
結論から言うと、大きく3つあります。
具体的には、下記の通り。
- 1つのカテゴリーに特化した選手は評価されづらい
- リリーフ投手の評価がしづらい
- そもそも補正数値が正しいのかわからない
上記の3つが挙げられます。
1つ1つ詳しく深掘りしてもいいのですが、それをやってしまうととんでもない文字数になるので、この辺りで留めておきます。
少なくともここで覚えておいて欲しいのは、WARは絶対的な指標ではないと言うことです。
これは、野球指標の解説記事でよく書いているのですが、あくまで1つのエビデンスとして使用するのがいいと思います。
広い視点を持って、選手を評価する姿勢が求められます。
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WAR歴代ランキング
選手名 | 守備 | 年数 | 通算WAR |
王貞治 | 一塁 | 22年 | 177.2 |
長嶋茂雄 | 三塁 | 17年 | 124.4 |
野村克也 | 捕手 | 26年 | 123.1 |
張本勲 | 左翼 | 23年 | 110.3 |
山内一弘 | 左翼 | 19年 | 104.0 |
山本浩二 | 中堅 | 18年 | 99.6 |
福本豊 | 中堅 | 20年 | 90.6 |
落合博満 | 一塁 | 20年 | 89.4 |
川上哲治 | 一塁 | 18年 | 88.2 |
門田博光 | 指名 | 23年 | 86.4 |
豊田泰光 | 遊撃 | 17年 | 81.7 |
清原和博 | 一塁 | 22年 | 79.4 |
金本知憲 | 左翼 | 21年 | 78.7 |
坂本勇人 | 遊撃 | 14年 | 78.0 |
阿部慎之助 | 捕手 | 19年 | 77.6 |
榎本喜八 | 一塁 | 18年 | 77.5 |
千葉茂 | 二塁 | 15年 | 76.6 |
広瀬淑巧 | 中堅 | 22年 | 76.2 |
小笠原道大 | 三塁 | 19年 | 72.6 |
秋山幸二 | 中堅 | 20年 | 70.9 |
WARランキング【歴代】
こちらは、各年のWARを全て合算した結果をランキングにしたものです。
一目ですごいなってわかるのが、王さんの記録ですよね。
実働22年で合計WARが177.2は化け物と言っても過言ではないです。
また、現役プレーヤーで唯一ランクインしているのが、巨人の顔・坂本勇人選手です。
プロ通算14年でこの数字なので、もっとこれからも伸びそうな感じがしますね。
それでは、まとめに入ります。
【野球指標】WARとは!?意味や計算方法、歴代ランキングを解説!!:まとめ
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それでは、今回の記事の重要POINTを改めてまとめていきます。
今回の記事の重要POINT
- WARとは、「同じポジションの代替可能選手と比較して、どれだけチームの勝利数を上積みしたのか」を表す指標
- WARの計算方法は、「攻撃指標+走塁指標+守備指標+投手指標」で、計算補正を経てWARが算出される
- WARの歴代ランキングトップは、王貞治さんで177.2。
一昔前は、野球界にそこまで統計学が普及しているわけではなかったので、データで選手の成績を見ることが非常に難しかったです。
最近は、その辺りが徐々に浸透してき始めて、私たち野球ファンの間でも指標を用いて議論がなされることが増えてきました。
野球指標というと、大体1つのジャンルに対して評価するものですが、WARに関しては総合的に選手を評価する指標ということで、ここ数年のデータ野球化を感じさせるような指標です。
算出方法は非常に厄介で複雑な感じがしますが、そこまで覚える必要はありません。
WARの意味と評価方法について理解していただけたら、WARについては完璧と言っていいでしょう。
それでは、今回の記事はここまでにしたいと思います。
楽しい野球観戦ライフをお送りください。
セイバーメトリクスの詳細については、以下の記事をご覧ください。
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